第108章彼女の最初の授乳

――エンバー――

広大さ。五感を打ちのめすあらゆる感覚のなかでも、いちばん大きかったのはそれだった。それは彼女の周囲すべてから押し寄せてきていた。

足の裏の下にある大地は、あまりにも膨大な力と波動に満ちて震え、脈打っていた。彼女にはただそこに立ち尽くし、それを受け止めることしかできなかった。

そのすぐあとに感じたのは、愛だった。あふれ返るほどの愛。大地は彼女を、愛と受容と……自由で、満ちあふれさせた。

脇腹に軽く押される感触があって、そこでようやくダックスもまた姿を変えていたのだと気づいた。彼も身を寄せ、その毛並みを彼女の身体に擦りつけている。

彼女は頭を垂れ、鼻先と顔を彼のあたたか...

ログインして続きを読む