第111章到着

――ベア――

ダックスがさらに近づき、腰のくびれにそっと手を添えるのを、彼女ははっきりと感じた。思っていた以上にそのぬくもりは心を落ち着かせるもので、彼女は身を任せるように、そっと彼にもたれかかった。

彼は身をかがめ、囁いた。

「もうみんな、おまえに夢中だよ、妻よ」

また、その呼び方だ。

彼がそう口にするたび、電流のような震えが身体を駆け抜け、腹の奥が内側から熱を帯びる。その感覚はあまりにも強く、彼が続けて何を言ったのか、危うく聞き逃してしまいそうになるほどだった。

ベアは少し鼻で笑い、ダックスのほうへ向き直った。

「みんな、まだ私のことを知らないもの」

そのとき、背後で角笛が高らか...

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