第23章プリンセス

――ベア――

彼の居室へ戻ったとき、何が待っているのか、彼女には見当もつかなかった。この三十分ほど、彼女は自分で頼んだ食材がきちんと買いそろえられ、厨房に正しく整えられているかを確かめるのにかかりきりだった。厨房まわりが清潔に保たれていることも確認し、自分では手を出したくない細かな雑事を片づけるための少人数の下働きも手配した。

最初は妙な気分だった。ふだんなら命じられるのは彼女のほうなのに、今は彼女が指図をしている。だが、指図される側ではなく、采配を振るう側でいることを、彼女は思いのほか気に入っていた。こうした務めはこれまでの人生の大半で担ってきたものだ。だから、自分の求めることを成し遂げ...

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