第71章安全な場所

―ベア―

ベアは、寝台の上で身じろぎし、天井を見上げた母を見つめていた。母は目の上に手を当て、囁くように言った。「夢よね……」それから重いため息をつき、体を起こして、脚を寝台の縁へと投げ出した。

ベアは声が出なかった。喉に何かが詰まったみたいで、ほんとうに生きている母が目を覚まし、伸びをしはじめるのをただ見ているしかない。

母が立ち上がろうとした、そのときだった。部屋の向こうを見やった母の視線が、炉のそば、湯気を上げる鍋の前に立つベアを捉えた。母の顔は驚愕に変わり、目を大きく見開き、口を開いたまま硬直する。そして立ち上がり、「あなた……!」と声を震わせた。「あなたなのね!」

ベアは駆け...

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