第77話ルナ半神

――ベア――

最初の朝に荷物はすべてまとめ上げ、その日の午後には小さな手引き車に全部積み込み、母のただ一頭の馬がそれを後ろから引いていた。

旅を始めてからもう一週間以上が過ぎ、数日前には雪に覆われた土地へと入っていた。ベアが気がかりに思い始めたのは、雪国に入って二日目から母が咳き込み始めたからだ。少しでも熱を逃がさないため、二人は馬を一頭にして互いの体温を頼り合いながら進んでいた。そして村はずれに差しかかったところで、ベアは道の脇に馬を寄せ、鞍から降りた。

なぜドクターのことを思い出したのか、自分でもはっきりとはわからなかった。たぶん母の咳のせいだろう。だがダクスの領地に近づくにつれ、真...

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