第148章 悪意を抱く

「小林千代の話はするな。うちの小林家に、そんな人間はいない」

小林邦彦の顔が、みるみるうちに暗く沈んだ。

「なんでよ。あの子のお腹には、あんたの子がいるんでしょう? 追い出すなんて、そんなの――!」

小林多江も声を荒らげる。あれは自分の孫になるはずだったのだ。

「腹の子は、俺の種じゃない!」

邦彦は怒りに任せ、小林茉由から渡されていた書類を机に叩きつけた。

昨日の時点では、腹の子が自分の子だと信じていた。だからこそ、せめてもの補償としてマンションの一室くらいは用意してやるつもりだったのだ。

――だが、違った。

小林千代が身ごもっているのは、邦彦の子ではない。

そう理解した瞬...

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