第15章 見栄を張って苦労する

小林裕斗は一人で検査機関へ向かい、以前、小林祐奈と一緒に騒ぎを起こした男に電話をかけて呼び出した。検査の手続きを手伝わせるためだ。

小林雪乃はその男の顔を見た瞬間、腹の底からムカッとした。だが目的を思い出し、怒りをぐっと飲み込むと、壁の角に身を隠して様子をうかがった。

「これ、葉山墨也と僕の髪。小林おじさん、検査に回して。報告書が必要なんだ」

裕斗が毛髪鑑定をしようとしたのは、石原友里から、ママが小林雪乃にいじめられたと聞いたからだった。この報告書を握っておけば、もしパパが小林雪乃という悪い女の肩を持ってママを傷つけるなら――真実をパパに突きつけられる。

「葉山墨也の髪……ってことは...

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