第16章 私を怒らせるな

「なんで、あなたたちがここに……?」

小林雪乃が息を切らし、倉庫へ駆け込んできた。

管理人から、葉山墨也と小林茉由が倉庫に来たと聞いた瞬間、胸がざわついた。

――絶対に、墨也に茉由の正体を気づかせるわけにはいかない。まして二人を同じ空間に長く置くなんて、論外だ。

「来たか」

葉山墨也は鋭い目で雪乃を射抜いた。

「この原石……どういうことだ?」

小林雪乃の背筋がひやりと冷える。

墨也は何より筋を通す男だ。もし、自分が金欲しさに安い石を掴まされていたと知られたら――。

「墨也、何の話?」

雪乃は必死に平静を装い、無垢な顔を作った。

「これ、ちゃんと評判のいい材料よ。仕入れ先...

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