第175章 死因への疑い

「茉由」

葉山墨也は手を伸ばし、彼女の顎を指先でくいと持ち上げると、軽く口づけた。

「さっきも言ってただろ。小林芳子は、そんなに脆い人間じゃない。あの死に方は……お前の言うとおり、裏がある可能性が高い。調べるべきだ。意味のない悲しみなんて、一番役に立たない」

「調べたいなら、俺も一緒にやる」

その言葉に、小林茉由ははっとする。――そうだ。泣いて沈んでいるだけじゃ、何も変わらない。

続く一言が胸の奥をじんわり温めた。隣に手を貸してくれる人がいる。それだけで、初めて息がしやすくなる気がした。

調べなきゃいけない。小林芳子が、なぜ飛び降り自殺なんてしたのか。

息子のことを命みたいに大...

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