第188章 恋愛運

「私も一応、訓練は受けてきたんだ。ここは腕慣らしみたいなものだし、危ない任務に当たることなんて、たぶんないよ」

小林茉由は、この話題をこれ以上引きずりたくなかった。そこでさらりと話を切り替える。

「それより、梨絵はここに来てどれくらい?」

「私? もう二年になるよ……」

佐藤梨絵はあっさり注意を逸らされ、今度は仕事の話を堰を切ったように語り始めた。もちろん機密に触れる部分は伏せて、ほとんどが日々の雑事だ。それでも茉由は相槌を打ちながら数言返し、訓練所の空気をざっくり掴んだ。

翌朝。とほぼ同時に、茉由は跳ね起きた。

寮の外では桐谷杏奈が待っていて、茉由の姿を見つけるなり手を振る。

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