第51章 誰を脅しているんだ?

小林裕斗は隙を突き、床に落ちていた欠けた陶片を拾い上げると、手首に食い込む縄を慎重に切り始めた。

「お前が葉山社長だな?」

男が鼻で笑う。

「お前の女が、このガキ二人をさらえって言ったんだ。バラされたくなきゃ大人しく1,000万出せ!」

葉山墨也は顔を強張らせ、状況を一瞬で飲み込んだ。

「1,000万は払う。だが二人に指一本でも触れてみろ。命はないぞ」

「面白ぇな。片方は殺す気で、片方は助ける気かよ」

男は笑った。だが理解もできる。葉山墨也みたいな金持ちは、余計な殺しの揉め事を抱えたくない。

もっとも――こいつは結局、失望することになる。子どもたちは自分の顔を見た。なら、生か...

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