第61章 薬を盛られる

個室で、小林雪乃は涙を浮かべたまま訴えた。

「墨也、あの子どもたちの件は……母が勝手に段取りしたの。私たちの関係がはっきりしないから、焦っちゃって。帰ってからちゃんと叱ったよ。……許してくれる?」

「この期に及んで、まだ責任転嫁か」

葉山墨也は冷ややかに彼女を見据えた。深い瞳の奥には、露骨な嫌悪が沈んでいる。

「向こうは『指示したのは小林という姓で、声は若かった』と認めてる。流産も嘘、妊娠も嘘。お前もお前の母親も、ほんとそっくりだな。平気で嘘をついて、人の心を弄ぶ」

小林雪乃の顔色が、さっと青ざめる。

「墨也、わたし……」

「二十年前、俺を助けたのは小林茉由だ。お前の母親が策を...

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