第71章 小林多江の計算

「茉由、お父さんから無事だって聞いたよ。よかった……最近はどうしてるの?」

小林茉由は、祖母から電話が来たこと自体が意外だった。

「まあまあだよ。おばあちゃんは?」

幼い頃、小林多江は茉由に対してそれなりに優しかった。父が浮気したときも、母の味方をしてくれて、怒って小林邦彦としばらく口を利かなくなったほどだ。

だから茉由も、彼女には一応、礼を尽くしている。

「無事だって聞いて、わざわざこっちまで顔を出したんだけどね。家にいないじゃない。お父さんが、もう小林の家には住んでないって言うし……今夜、家でご飯でもどう? このおばあちゃんの顔を立てると思ってさ」

本当は断りたかった。けれど...

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