第97章 隠された過去

彼女はずっと、葉山墨也の口から情報を引き出したかった。

葉山墨也は商売の人脈が桁違いだ。調べる手段だって、彼女よりよほど上だろう。彼女がM国の件を追い切れなくても、葉山墨也なら――必ずしも無理じゃない。

あの男は千崎おじさんと母のことまで嗅ぎつけてきた。つまり、何かを掴んでいる。

案の定、葉山墨也は一拍置いてから言った。

「今は時間がない。5時、俺のオフィスに来い」

時間がないくせに、さっきまで彼女を捕まえて拗ねてたくせに。

小林茉由は奥歯をぎりっと噛みしめる。けれど今は、こっちが頼む立場だ。大人しく頷いてみせた。

従順な態度を見た瞬間、葉山墨也の胸に残っていた最後の苛立ちが、...

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