第351章 副作用

鈴木夏美は小さく息を吸い込み、ひとつの結論を口にした。

「昔の私は、きっとあなたのことを深く愛していたのね」

高橋隆一の瞳がわずかに揺れた。彼は複雑な眼差しを彼女に向けた。

「ああ、確かにそうだった。だが、なぜそう思う?」

「簡単なことよ。私は本来、個の独立を重んじるタイプだもの。一人の男性のために大学を中退し、結婚し、子供を産む……そんな選択、普通ならあり得ないわ。よほど愛していなければ、これほどの犠牲を払うはずがない」

鈴木夏美は無念さを滲ませてうつむいた。

「今の私の視点から言わせてもらえば、学び続けなかったことが悔やまれてならないわ」

部屋の隅に置かれた卒業証書が目に入った。そ...

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