第376章 お前は確かに死ぬべきだ

「高橋唯人は今、どこにいる?」

諸々の案件を片付け、ようやく高橋唯人の処分に手を付ける時間ができた高橋隆一は、短く問いかけた。

田中健太はやるせない表情で答える。

「例の一件以来、彼は大急ぎで出国の手続きを済ませました。現在は音信不通です」

高橋隆一は鼻を鳴らし、手にしていた万年筆を置く。その一件を深く追及するつもりはないようだ。

「戻らないなら、捜す必要はない」

田中健太は心の中で密かに溜息をついた。

高橋社長は口にこそ出さないが、実際は家族というものを誰よりも気に掛けている人だ。

高橋唯人の放蕩ぶりは度し難いレベルに達しているが、高橋隆一の対応は予想に反して甘く、徹底的に制裁を加...

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