第384章 人違い

高橋隆一は困り果てた表情を浮かべた。

「お祖父様、人違いです。彼女は夏美、俺の妻ですよ」

高橋のお祖父様は首を横に振り、鈴木夏美の手を離そうとしない。

「何を言っておる。ワシにこんな大きな孫などおらんぞ」

どうやら人違いをしているだけでなく、過去の記憶そのものが混乱しているようだ。

幸い、高橋のお祖父様の力はそれほど強くなく、鈴木夏美も不快感を感じるほどではなかったため、まずは彼を宥めることにした。

「おっしゃる通りですわ。否定はしませんから、まずは手を離して、ゆっくりお話ししましょう?」

やっとのことで翁を落ち着かせ、三人は庭の椅子に腰を下ろした。鈴木夏美は根気強く問いかけた。

「...

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