第435章 その名は白昼

氷のようなシャワーが頭上から降り注ぐ。視界に揺らぐのは、高橋隆一の冷徹な眼差しだ。

 鈴木夏美は凍てつく床の上でもがいていた。無意識のうちに助けを求める呻き声が漏れる。すでに浴室からは離れているはずなのに、肺が押し潰されるような窒息感が消えない。

『カチャリ』とドアが開く音がして、中野さんの声が響いた。「奥様、お部屋にいらっしゃいませんか?」

 寝室へ数歩足を踏み入れた彼女は、すぐに異変に気づいた。浴室のドアが開け放たれている。

 そこには、虚ろな表情で床に座り込む鈴木夏美の姿があった。

「奥様! お体の具合もよろしくないのに、どうしてこんな冷たい場所に座っておられるのですか」

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