第117章

「六百万? 頭おかしいんじゃないの?」

小林雪子は一瞬で食欲を失い、目の前のコーヒーを乱暴に押しやると、入江一純に冷笑を浴びせた。

「私があなたの魂胆を知らないとでも? 今日ここに来たのは、安井綺世から金を絞り取れなかったからでしょう?」

入江一純は面白くなさそうに顔を歪め、開き直った態度で小林雪子に言い返した。

「俺だってこの数日、お前のために奔走したんだぞ。全部お前のためじゃないか。恩を仇で返すつもりか?」

彼は本性を剥き出しにし、無頼漢のように凄んだ。

「お前が六百万を出せないなんて信じないね。さっさと金をよこせ。さもないと、今日は安井綺世に付きまとったが、次はいつお前に張...

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