第130章

安井綺世が断る暇もなかった。辻本修一は一方的に話をまとめ、彼女に拒否権など与えないと言わんばかりの勢いだ。

彼は電話口で、心を痛めているかのような声を上げた。

「あの子たちに何年も『辻本おじさん』と呼ばせておいて、こんな一大事を俺に隠すなんてひどいじゃないか。俺が無理やり聞き出さなかったら、入院したことすら教えないつもりだったのか?」

「俺たちの友情はその程度だったのか?」

辻本修一の口調には非難の色が混じり、失望を隠そうともしない。

「綺世、あの子たちは俺にとっても、成長を見守ってきた子供たちなんだ。病気だと知らされない俺がどれだけ辛いか、考えたことはあるのか?」

安井綺世は返...

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