第139章

相馬千冬は身を翻し、隣にある子供たちの病室へと向かった。

だが、足を踏み入れた瞬間、室内の空気がひどく強張っているのを肌で感じた。

思わず片眉を上げ、訝しげに二人の子供を見やる。彼は穏やかな声で問いかけた。

「どうした? 午後は外へ遊びに行ったと聞いたが、楽しくなかったのか?」

子供たちは一斉に視線を逸らす。その幼い顔には、ありありと拒絶の色が浮かんでいた。

千冬は知る由もなかった。

先ほどの廊下での一幕――彼と小林雪子のあの瞬間が、階段を上ってきた三人に見られていたことを。

安井綺世は気にも留めず、淡泊な一瞥をくれただけで病室に戻っていたが、子供たちの反応は違った。

激しい...

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