第196章

問いかけられて、安井皐雪と安井初幸の二人はきょとんと目を瞬かせた。

そして、ぱっと何かに気づいたように言う。

「あなた、たまのパパなの? たまが言ってた。パパはお仕事がすごく忙しくて、たま、よくひとりでおうちにいるって」

だからこそ、二人は自分からたまと一緒に遊ぶようになったのだ。

その後、たまが母子家庭だとクラスの数人の小悪党に知られてからは、しつこくからかわれ、いじめられた。

そのたびに前へ出て、たまをかばったのも皐雪と初幸だった。二人が追い払ってくれたから、たまは泣かずに済んだ。

初幸が安井綺世の耳元に寄り、これまでの経緯を手短に囁く。

綺世はようやく腑に落ち、男に向き直...

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