第27章

皐雪が点滴を受けている間、安井綺世は片時も離れずにベッドの傍らで付き添っていた。

食事時になり、相馬千冬はまず初幸を連れて外食に出かけ、戻り際に安井綺世のために弁当を買ってきた。

彼女はようやく娘から視線を外し、酸欠で痛む目をこすった。

「すまないわね」

綺世の態度は他人行儀で、余所余所しい。二口ほど食べただけで、彼女は弁当箱を脇に置いてしまった。

そしてスマートフォンを手に取る。同時に、相馬千冬のポケットに入っていたスマートフォンが通知音を鳴らした。

安井綺世からの送金通知だった。

相馬千冬は背筋を強張らせた。

「そんなにきっちり計算しなくてもいいだろう」

綺世はまるで米...

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