第41章

後藤補佐が慌ただしく駆け込んできた時、相馬千冬は重役たちを集めて夜の定例会議を開いている最中だった。

 重役たちは皆、相馬千冬の叔父にあたる世代の年配者ばかりだ。だが、若き当主である千冬の前では、まるで孫のように叱り飛ばされていた。

 全員が萎縮し、誰一人として余計な口を利こうとしない。

 千冬の全身からは粛殺な気配が漂っており、その視線が一瞥くれただけで、後藤補佐でさえ背筋に冷たいものが走るのを感じた。

 人を射殺せんとばかりの鋭い視線に晒されながら、後藤補佐は戦々恐々として報告を行った。

「相馬社長、奥様が本日、安家不動産で物件をご覧になり、すでに契約を済ませました」

 後藤...

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