第51章

誰にも邪魔されることなく、安井綺世は病室で泥のように眠り続けた。

夜になってようやく目が覚めると、枯渇していた気力もすっかり回復していた。

頭の奥に鈍い痛みが残っている以外は、これといった不調もない。

睡眠が足りると、今度は安井綺世の腹が「ぐう」と盛大な音を立てた。

朝に粥を小椀一杯啜ったきりなのだ。背中と腹がくっつきそうなほどの空腹感に襲われるのも無理はない。

病院のベッドでデリバリーアプリをしばらく眺めてみたが、どうにも食指が動かない。安井綺世は意を決してベッドを降り、着替えて外へ食料調達に出ることにした。

ドアを開けた瞬間、安井綺世は正面から飛び込んできた皐雪と初幸と衝...

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