第70章

安井皐雪が昏睡状態に陥ってから、丸一日が過ぎようとしていた。

安井綺世は一睡もせず、張り詰めた糸のような神経で安井皐雪のそばに付き添っていた。表向きは沈着冷静を装っているが、心の中の糸は極限まで引き絞られ、いつプツリと切れてもおかしくない状態だった。

そんな中、安井皐雪がついに無事に目を開けたのを見て、彼女の目頭が熱くなった。

張り詰めていた緊張がようやく解け、安井綺世は力が抜けたように顔を覆う。指の隙間から、止めどなく涙が溢れ出した。

「マミィ……」

安井皐雪は弱々しい声で呼んだ。

「マミィ、どうしたの? 悲しまないで。皐雪、もう痛くないよ」

「痛くないわけないでしょう……」...

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