第23章 救急室に送る

平川希は午前中に一件手術をこなし、昼には数名の患者を診察した。終業時間まで、あの二人組が彼女を煩わせに来ることはなく、そのおかげで平川希の気分はかなり晴れやかだった。

今夜は当直のため、平川希は宇野優衣に電話をかけ、子供たちの迎えを頼んだ。副主任室の前を通りかかった時、ふと中の口論する声に注意を引かれた。

「宮内咲奈、君自身で北野先生と竹本先生に謝りに行ったらどうだ?病院で公然と同僚をいじめるなんて、君は……」

「同僚をいじめた?どこの目で私があの子たちをいじめてるのを見たっていうの?あなたはただ、あなたの女神様が心配なんでしょう。松島翼、あなたの妻は私よ。他の女のために私を説教するな...

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