第298章 熊のように私も好き

平川希は尋ねた。「これは?」

高原賢治はビロードのケースから指輪を取り出すと、平川希の繊細で柔らかな手を取り、その薬指にゆっくりと指輪をはめていった。

精巧に輝く指輪が、彼女の白く細長い指にはめられると、その手をいっそう美しく引き立てる。

高原賢治は身をかがめ、その指に口づけを落とした。

「遅くなったけど、指輪だ。本当はもっと早く贈るべきだった」

手元でまばゆく輝く指輪を見つめ、平川希の顔には幸せそうな笑みが浮かんでいた。

彼女自身はそういったものにこだわっていなかったが、高原賢治が考えてくれていたことが、とても嬉しかった。

高原賢治は言う。「結婚したからな。ペアリングだ」

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