第322章 最も美しい花嫁

大きな鏡の前でウェディングドレスの襟元を整え、外へ出ようとした平川希は、「確かに俺は彼女には釣り合わないな」という高原賢治の言葉を耳にして、ドレスの裾を握る手をピタリと止めた。

その瞳に驚きの色がよぎる。

高原賢治がそんなことを言うなんて、思ってもみなかった。

目元の冷たさが次第に温かな光へと変わり、伏し目がちになった彼女の目頭が、たまらず熱くなった。

平川希のドレスを丁寧に整えていた店員も、外からの声を聞いていた。若い店員はそっと顔を上げ、平川希の様子を窺う。

あんな言葉を聞けば、この高原夫人は絶対に腹を立てるだろうと彼女は思っていた。

無関係な自分ですら、聞いていて腹が立つく...

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