第47章 史上初の「テロ攻撃」に遭遇

平川希が目を丸くして振り返ると、そこにいたのは霜の降りたような厳しい表情をした高原賢治だった。その身にまとう陰鬱で冷徹な雰囲気は、まるで地獄から這い出てきた魔王のようだ。

平川希は内心ぞっとし、呆れて白目をむいた。

「あなた……離して」平川希は歯を食いしばる。なぜこの男はこうも亡霊のように付きまとうのか。「どこへ連れて行く気?」

「送り返す」

「必要ないわ!」

「お前に拒否権があるとでも?」

「……」

「うっ……」高原圭太にも、平川希の琥珀色の瞳から怒りの炎が噴き出しているのが感じられた。

平川希は怒りのあまり目を閉じた。「高原賢治、あなた山賊か何か……?」

高原賢治はそれ...

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