第48章 高原賢治が気にしている人は平川希

凌太は機転を利かせ、すぐに話題を逸らした。

優くんはもともと凌太が平川希への誕生日プレゼントとして用意していたものだった。今日は緊急事態で前倒しして使っただけだ。今、優くんは高原家にある。なんとかして取り返さなければならない。

「そうなの?」平川希は目をぱちくりさせ、疑わしげに尋ねた。

「そうだよ、そうだよ」由佳はこくこくと頷いて相槌を打つ。

「じゃあ、あなたたち、夜更かしして寝ないでこれをいじってたってこと?」

「そうだよ! そうだよ!」由佳はしきりに頷く。

「じゃあ、由佳は病気じゃなくて、頭も痛くなくて、ただママに見つかりたくなかったから、ママに嘘をついたの?」

「そうだよ...

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