第231章

案の定、江崎鏡はまた高橋さやかに連れられて帰っていった。

古村陽平には、彼女と言葉を交わす隙すらない。まして膝を突き合わせて腹を割るなんて、夢のまた夢だった。

仕方なく彼は古村家へ引き返し、仕事に戻る。

だが救いはあった。こちらの調べも、ようやく糸口が見え始めていたのだ。少なくとも、古村陽平が無駄足を踏んだわけではない。

高槻元成が前回押しかけて騒ぎを起こして以来、古村陽平は調査を進めていた。高槻元成が突然帰国し、妻と二人の娘を連れて雲市に腰を据えた理由。その裏に何があるのか。

そして――やはり、出てきた。

「つまり、あいつは海外で借金を?」

古村陽平の問いに、葉山言は手元のタ...

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