第123章

職員室の扉が乱暴に引き開けられ、女教師の刺々しい言葉がまだ空気に残っていた。廊下の光がどっと流れ込み、入口には去ったはずの白川康平が立っている。

手にはプリントの束。レンズ越しの視線が、金井が新谷音羽の腕を掴んでいる手元をなぞった瞬間、白川の眉間がきゅっと寄り、深い皺が刻まれた。

「金井先生、何をしているんですか」

声は大きくない。けれど、有無を言わせない硬さがあった。

金井の指がぴたりと止まる。さっきまでの高圧的な空気は、潮が引くみたいに消え失せた。代わりに浮かんだのは、どこか気まずい媚び笑い。

彼女は手を離し、ついでのように音羽の皺になった袖口を整えてみせる。

「康平さん、戻...

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