第22章

星野結月は唇をきゅっと引き結び、顔に一瞬だけ得意げな色を走らせると、そのまま後を追って中へ入った。

オフィスのドアが閉まる。外の好奇の視線も囁きも、そこでぷつりと遮断された。

新谷音羽はその場に立ち尽くし、閉ざされた扉を見つめたまま、言葉にならない何かが胸に沈むのを感じていた。

やがて踵を返し、自分のオフィスへ戻る。ドアを閉め、外界の喧騒をすべて締め出す。

――一方、蒼井沢言のオフィス。

星野結月が口を開きかけた、その瞬間だった。

「星野結月、お前が何のために帰国したかは知らない。だが警告する。新谷音羽には近づくな」

落ち着いた声。冷えた刃のように、温度がない。

蒼井沢言は床...

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