第23章

デザイン部の面々が一斉に立ち上がり、探し物に奔走しはじめた。

ソファの隙間をまさぐる者、応接室を覗く者、給湯室の棚を一段ずつ確かめる者――フロアは小さな騒ぎになっていく。

新谷音羽は自室のデスクに座ったまま、ガラス越しにその混乱を眺めていた。

胸の奥に、嫌な予感がじわりと滲む。

そこへ柳沢雲子が、ノックもそこそこにドアを押し開ける。貼りつけたような営業スマイル。

「新谷チーフ。星野さんのイヤリングがなくなったそうで……お手すきでしたら、こちらも一緒に探していただけますか」

音羽は眉をひそめたが、立ち上がって外へ出た。

「どんなイヤリングなんです?」

誰かが訊ねると、星野結月が...

ログインして続きを読む