第24章

「盗み?」

蒼井翼は眉を吊り上げ、新谷音羽へ視線を投げた。

「お前、盗んだのか?」

状況を一瞥し、わざとらしく口角を上げる。

「星野さん。で、彼女が何を盗んだって言うんだ?」

星野結月はそのイヤリングを掲げた。指先が微かに震え、声にも揺れが混じる。

「これです。このイヤリング……妹が私に遺してくれた形見なんです。今朝出社した時、ここに置き忘れたはずで……それが新谷さんのバッグから出てきました」

蒼井翼はイヤリングを一度見てから、新谷音羽へ目を移し――ふっと笑い声を漏らした。

「星野さん。ほんとに、それが自分のものだって言い切れる?」

「もちろん!」

星野結月は食い気味に言...

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