第34章

そう言い終えると、彼女は蒼井沢言の手を取り、柳沢雲子の横をすっと通り過ぎた。

柳沢雲子はその場に立ち尽くし、顔色が青から白へと忙しなく揺れる。

二人がエレベーターへ消えた瞬間、柳沢雲子の表情は完全に沈み込み、瞳の奥にどす黒い光が走った。

新谷音羽……!

命知らずにもほどがある。なら、こっちだって容赦はしない。

柳沢雲子は踵を返して自分のデスクへ戻り、スマホを掴む。連絡先の奥に沈んでいた、見覚えのない番号を開き、短く打ち込んだ。

「紹介したい人がいるの。……協力できるかもしれない」

すぐに返事が来る。

「誰だ」

柳沢雲子は口元を歪めた。

「私と同じ。新谷音羽が気に入らない人...

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