第40章

木下夫人は何とも抜け目がない。こちらの意図を即座に察し、矢継ぎ早に応じた。

「あるわ! もちろんある! いとこがね、ちょうど婚約者のために結婚指輪とおそろいのジュエリーを作りたがってるの。でもずっと、ピンとくるデザイナーに出会えなくて……今すぐあなたを紹介するわ。あなたのデザインなら、絶対に気に入る!」

通話を切って間もなく、LINEの友だち追加申請が飛んできた。

承認すると、相手はすぐに丁寧で柔らかな文面を送ってくる。

「新谷さん、はじめまして。田村彰と申します。従姉からご紹介いただきました。もしよろしければ、一度お会いしてデザインのイメージを相談させていただけませんか」

新谷音...

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