第41章

馴染みのベントレーに乗り込み、外の視線も喧騒も完全に遮断されて、ようやく蒼井沢言は彼女の手を離した。身を少し傾け、沈んだ眼差しで新谷音羽を捉える。

「今なら話せるな。あの男は誰だ」

「……クライアントです」

音羽は俯いたまま答える。声がこもって、どこか気まずそうだった。

「副業か」

蒼井沢言の声色は変わらない。なのに、車内の空気がすっと冷えた気がして、音羽は背筋を強ばらせた。

もう誤魔化せない。彼女は腹を括り、まっすぐ彼の目を見返す。

「ニュースを見ました。盗作の件で、会社の株価に影響が出て……損失、1000万近いって」

息を吸って、言葉を続けた。

「私のせいで起きたことで...

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