第277章 善良なお嬢さん

「お嬢さんは、まだ目が覚めないのか?」

「馬鹿言わないでよ。医者が言ってたじゃない、光さんは悲しみのあまり……ああもう、刺激を与えちゃダメなんだって。すぐ気絶しちゃうから、本当に可哀想に」

 報道陣は早朝から病室の前に詰めかけていた。

 本来なら医師や看護師に追い払われるところだが、彼らは相当な心付けを渡したのか、あるいは粘り強く交渉したのか、なんとかその場に留まることを許されていた。

 ただし、青山光の休息を妨げないこと、彼女の体調が極めて悪いことを医師から厳重に言い渡されていた。

 そのため、誰一人として無理に押し入ろうとはせず、大声で話す者すらいない。

 彼らが質問内容を再...

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