第286章 多くの生涯の最愛

部屋の中に、すぐにねっとりとした音が満ちていく。

しばらくあえぎ声が続いたあと、ふたりはベッドに仰向けに倒れ込み、肩で息をしていた。

水野実里はくるりと西村友紀の背後に回り、両手をそっと頭に添える。氷のように冷たい指先が、ちょうどいい力加減で頭皮全体を揉みほぐしていく。

時間がゆっくりと流れるなか、半分眠りかけていた西村友紀が、うっすらと目を開け、か弱い声でつぶやいた。

「ずっと……一生、あなたと一緒にいられたらいいのに。なのに、どうせ……」

身をひるがえし、鼻につくほど強い香水の匂いに包まれながら、ぼんやりとした意識のまま、水野実里の首に腕を回し、そのまままた唇を重ねる。

「ど...

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