第290章 神秘的

青山雅紀は鋭い眼光を放ち、青山光を片手でしっかりと支えながら、傍らに視線をやった。

「医師は容態が安定したと言っていたはずだが、なぜ急に危篤状態に?」

それに、他の連中はどこだ。

処置室の前には、中島以外、誰一人としていない。

中島は、青山光の焦燥しきった様子を見て、胸を打たれたように目を細めた。

「お嬢様……今となっては、旦那様のことをこれほど案じてくださるのは、あなた様だけです。実は、旦那様は激昂されたあまり、気を失われたのです」

頼れる相手を前にして、中島は隠すことなく事情を明かした。

「具体的な経緯までは分かりかねますが、私が駆けつけた時、ちょうど奥様が……旦那様の手を...

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