第300章 嫌われ者になった母娘

怒りがひと段落すると、中山誠子は我に返った。

唇を尖らせ、瞳に涙を浮かべて見せるその姿は、いかにも「私は被害者です」と言わんばかりだ。

「どんなことがあっても、ぶつなんて酷いじゃない。こんなに怪我させられて……これからどうすればいいのよ。私、もう表を歩けない。ううっ……」

悲劇のヒロインになりきり、彼女は声を上げて泣き出した。

「はあ」

安田大奥様は、やるせない溜息をついた。

誠子が意識を失っている間、彼女は必死に手を回してトレンドの火消しに奔走したのだ。だが、明らかに何者かが裏で糸を引いている。削除したそばから、またたく間に上位へねじ込まれてくるのだ。

事態はすでに手遅れだっ...

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