第316章 狂った独占欲

光は、甘い香りがする。

なんと柔らかいのだろう。

ただひたすらに、こうして密着していたい。

「光、全部終わったら、新婚旅行に行こうか。二人きりで。誰にも邪魔させない場所へ」

「うん、いいよ」

二人だけの世界。それは青山光にとっても好ましいことだった。彼女の声も、自然と弾む。

青山雅紀は薄い唇を吊り上げ、満足げに言った。

「言ったな。約束だぞ」

「青山聡のほうは、もう限界に近いみたいだね。ここ数日、狂ったように資金繰りに奔走してる。商業的な政略結婚まで画策し始めたって」

「でも、あの男がどんな人間か、業界の連中はみんな知っている。誰も相手にしていないさ。……俺の予想が正しけれ...

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