第323章 窮地に陥る青山聡

忙しい時間は、飛ぶように過ぎ去っていく。

研究室に籠もりきりだった午後の授業を終え、青山光は疲労困憊していた。

放課後は帰宅して泥のように眠るつもりだったが、校門を出た途端、実家の車に拾われてしまったのだ。

光は後部座席に身を預け、強張った横顔を見せる運転手を盗み見ながら、恐る恐る口を開いた。

「お祖父様に、何かあったのですか?」

運転手は小さく息を吐き、重い口を開く。

「聡様が、いらしています」

聡……さん。

聞き慣れないその名前に、光は一瞬、反応できなかった。

「現在、雅紀様と聡様、お二方とも本家に集まっておられます」

運転手の補足で、ようやく事態を飲み込む。

そう...

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