第356章 とても怖い

救急救命室の扉が開いた。

中からベッドが押し出され、そこに横たわる青山光の姿を認めた瞬間、青山雅紀は肺の底の空気を一気に吐き出した。

「今、どういう状態ですか」

「頭をぶつけて出血がひどかったんですが、幸い脳内出血はありませんでした。しばらくはきちんと安静にして、ここ数日は特に、あまり感情を高ぶらせないようにしてください」

医者の言葉を聞き、青山雅紀たちは再び病室へと戻る。

夜は更け、病棟はしんと静まり返っていた。

青山雅紀はベッド脇の椅子に座り込み、その細い指を包み込むように握ったまま、じっと動かない。暗い瞳は奥の奥まで墨を流し込んだように黒い。

時間が過ぎていくほどに、胸の...

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