第388章 安田大吉の目論見

夜の帳が降りた。

病院に戻った青山光の目に飛び込んできたのは、車椅子に腰かけた実の父親の姿だった。

……ただ、その顔の笑みは何だ。妙にいやらしい。

胸のざわつきを押し殺し、青山光は心配そうな顔を作って小走りに近づいた。

「父さん、ごめんなさい。このところ本当に忙しくて、なかなか来られなくて」

「何を言ってるんだ。父さんはお前が最近体調崩してるって聞いてるぞ。具合はどうだ? 何か困ってることはないか。家には使用人もいるし、中島さんもいる。何かあったら何でも言いなさい」

安田大吉の顔は、これ以上ないほど作り物めいていて、その視線はべったりと青山雅紀に貼りついていた。

いかにも「慈愛...

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