第389章 優しい彼

青山光は手の中にあるものを死に物狂いで握りしめ、青山雅紀を見つめていた。涙が意思に反して溢れ落ちる。

悲しみたくない、苦しみたくないと思えば思うほど、感情を抑えきれない。

青山雅紀の瞳が痛ましいほどに揺れ、彼は歩み寄って彼女をその腕の中に閉じ込めた。

「どうした?」

「これを見て……あなた。これはあなたの物でもあり、私の物でもあるわ。そして将来、私たちの子供の物にもなるの」

青山雅紀にとって、これほどの財産など取るに足らないものだと分かっている。

だが、前世においても今生においても、これは彼女が手にするべき正当な権利であり、彼女の執念そのものだった。

生まれ変わってからこの方、...

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