第510章 秘密を守る

彼女はいま、完全に自分の思考の海に沈み込んでいた。画面に並ぶ実験データが、次から次へと頭の中へ流れ込んでくる。そのたびに、瞳の奥で光がぱちぱちと弾ける。

──やった、やった……!

さっきまで、もう打つ手はないとさえ思っていたのに。この先どうすればいいのか、まるで見当もつかなかったのに。まさか、この特許がここまで自分に希望を与えてくれるなんて。

もしかしたら、そう遠くないうちに神経を破壊する薬を作り出せるかもしれない。

興奮しすぎているせいか、青山光はすっかり思考に没頭していて、オフィスに誰か入ってきたことさえ気づかなかった。

「ねえ、なにやってんの? たまたま私が悪い人じゃないから...

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