第10章

二ノ宮薫子は周囲をさっと見回し、助手を後部座席へ追いやると、そのまま無理やり車のドアを開けさせた。

助手はじりじり後ずさる。誰も触っていないのに、ぎ、ぎ……と勝手に動くドアノブ。瞳いっぱいに恐怖が張りついていた。

「二ノ宮さん……降りられません……お願いです、許してください……!」

「駄目! あんたが先に降りるの! 私はスターなんだから、何かあったら困るでしょ!」

言い終えるや否や、薫子はドアを掴んで助手を外へ突き飛ばした。ばたん、とすぐに閉め、車内から冷たくその動きを見張る。

助手は地面に転がり、四方を見回した次の瞬間、きゃあ、と悲鳴を上げて走り去っていった。

それを見送りなが...

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